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DX時代のリスキリング戦略──月300人が学ぶ「卒業なし」サブスク型クリエイタースクールCampusの挑戦
株式会社Campus
代表取締役 梅谷 豊巨様
- 目次
DXの加速とともに、Webデザインや動画編集といったデジタルスキルの需要は年々高まっている。しかし、その学びの場である「スクール業界」には、高額な受講料や短期間での卒業といった、未経験者にとって高いハードルが存在するのも事実だ。
こうした業界の慣習に風穴を開け、「誰もがライフスタイルを自由に描ける世界」を目指しているのが、株式会社Campusである。代表取締役の梅谷氏は、自ら未経験からキャリアを切り拓いてきた経験をもとに、既存の教育モデルとは一線を画す「卒業のないサブスク型のWebクリエイタースクール」を展開している。
本記事では、梅谷氏への取材を通じ、同社の主力サービスであるスクールの「想い」と、教育の枠を超えてビジネスパートナーを生み出そうとする「挑戦」の軌跡を紐解く。
異色の経歴から生まれた「受講生目線」の原体験
株式会社Campusの事業の根幹には、代表である梅谷氏自身の歩みが深く投影されている。梅谷氏のキャリアのスタートは、現在のIT業界とは対極にある飲食業だった。
「1年目はカフェの店員、2年目から営業の仕事を経験しました。Webデザインに出会ったのは28歳の時です。そこからライフスタイルがガラッと変わりました」と、梅谷氏は当時を振り返る。自身が未経験からスキルを習得し、人生を好転させた実体験があるからこそ、「人生をデザインする」というコンセプトを掲げ、挑戦する人々を全力でサポートする姿勢を貫いている。
しかし、梅谷氏が未経験時代にスクールで学ぶ過程で直面した幾つかの課題があった。副業やフリーランス、在宅ワークを目指す人にとって、WEB系のスキルはパソコン一つで始められることから人気の高い分野となっているが、興味を持った方がスクール受講を検討する際に、「短い期間」で「高い受講料」というのが一般的でハードルが高くなっている。
梅谷氏:「私自身、短期間で高額なスクールを受講したことがあります。短期間で学べるものが少なくスキルに自信が持てないことや、仕事の取り方がわからずどうすれば良いか悩んでました。結果として、4つスクールを渡り歩き、合計で250万円ほどお金をかけて学んできた経験があります。」
こうした自身の悩みをもとに「短期間」「高額」「特定のスキル」という常識を取っ払い、リスクを最小限に抑えながら「自分に合ったスキルを継続して学べる環境を作りたい」「技術的なスキルだけではなく、請求書や契約書、確定申告や税金面、集客や営業からポートフォリオの作成などビジネス全般をサポートしたい」というその「想い」が、Campusのサービス設計の原動力となっている。
「講座」ではなく「学校」へ。上場企業社長の言葉が変えた事業の形
現在、Campusの最大の特徴として知られる「卒業がない」というシステム。しかし、創業当初からこの形だったわけではない。かつては、Webデザインに特化した3ヶ月間の短期集中講座を提供していた時期があった。
転機となったのは、ある上場企業の社長との何気ない会話だった。「スクールをやっています」と話した梅谷氏に対し、その経営者は「それってスクールじゃなくて『講座』じゃないの?」と問いかけたという。「学校のような存在であれば、通年で学べるほうがいいのではないか」というその一言が梅谷氏の事業転換のきっかけとなった。
当時の短期講座でも受講生からの評価は高かった。しかし、3ヶ月の期間が終わると、受講生は急に一人になり、モチベーションの維持や継続的な学習に不安を感じるという課題も浮き彫りになっていた。
梅谷氏:「卒業がなく、自分が納得するまで学び続けられる。そして個人で活動するために必要なビジネススキルまで網羅できる場所を作りたい!と思いました」
このパラダイムシフトを経て、Campusはスキル学習の場から、受講生の目標達成に必要なキャリアに寄り添い続ける「継続サポート型のスクール」へと進化を遂げたのである。
圧倒的なコスパと多角的なカリキュラムが支える「安心感」
Campusが提供する価値は、主に3つの柱で構成されている。
第一に、「卒業がない」ことだ。特に育児や家事で時間が限られる主婦層にとって、短期間で成果を求められるプレッシャーは大きい。「自分のペースで継続的にスキルアップができる」という仕組みが、未経験者の心理的なハードルを大きく下げている。
第二に、「カリキュラムの圧倒的な網羅性」である。Webデザイン、プログラミング、動画編集、マーケティング、SNS運用、生成AIまで、Webスキル全般をカバーしている。通常、複数のスキルを学ぶには別々のスクールに通う必要があるが、Campusでは一つのプラットフォームですべてが完結する。「業界トップクラス」と自負するカリキュラム数は、多角的な武器を持ちたい現代のクリエイターのニーズに応えている。
第三に、「サブスクリプションモデルによる低価格化だ。入会金は発生するものの、月額制を採用することで、一般的なスクール相場の半分以下のコストを実現した。広告費や設備投資に資金を投じながらも、既存会員との安定した関係性があるからこそ、スクールの運営を維持できている。
「安いからサポートが疎かなのでは」という懸念を抱く方もいるが、毎日の質問対応、セミナーやグループ相談、オンライン交流会、オフラインイベントなど、受講生が孤独にならないための仕組みを作っている。
表面的なスキルを超え、「稼ぐための本質」を伝える
Campusの真の強みは、実は表向きの「安さ」や「多様性」の裏側に隠されている。それは、徹底した「お仕事獲得に対するサポート」だ。
梅谷氏:「スキルがあれば稼げると思っている人も多いのですが、技術だけではなく仕事を獲得するスキルが必要で人によってかなり差がでます。そのため、技術以外の案件獲得に対する学びやサポートにも力を入れています。」
ホームページでは大きく打ち出していないものの、同社が最も注力しているのは、実務的な仕事の取り方やビジネススキルの伝授である。この「本質」を担保するため、梅谷氏は今も個別相談に自ら対応している。
梅谷氏:「スクールは卒業がないため、コミュニティ化しています。誰でもいいから受講を進めるのではなく、双方がマッチするかは大事にしています」
スクールは外部の営業マンがクロージングをすることが多い業界だが、代表自らが直接対話することで受講生は安心感を得ている。一人ひとりの受講生の声を元にスクールを進化させ信頼関係を築いてきたことが競合が乱立するスクール業界において、Campusが独自の地位を築けている要因だろう。
また、この育成ノウハウは法人向けにも展開されている。IT人材の採用に悩む企業に対し、既存の事務スタッフをWebクリエイターへと育成する「サブスク型の研修」を提供。未経験者をプロに変えてきた実績が、BtoB市場でも解決策となっている。
スクールを「仕事が循環するエコシステム」へ
Campusは、月に約300人が受講する規模へと成長している。その基盤をさらに進化させ、梅谷氏が構想するのは、コミュニティ内外でお仕事も流通する環境の構築である。
梅谷氏:「ただ学んで終わるのではなく、受講生が弊社のビジネスパートナーとなっていき一緒に仕事ができる関係作りも目指しています」
具体的には、外部で受注した制作案件に対し、Campusがディレクションを行い、受講生が実務を担うことも始めている。すでに広告代理店との提携を通じてこのモデルは動き始めており、今後はさらにこの循環を広げていく計画だ。
「自分にできるのか」と不安を抱える未経験者に対し、梅谷氏は力強くエールを送る。
梅谷氏:「学歴も資格も年齢も関係ありません。チャレンジしてみたい、ライフスタイルを変えたいという人を、全力でサポートしていきます」
「人生をデザインする」というCampusの挑戦は、教育業界の常識を塗り替え、日本の働き方に新たな選択肢を提示している。
※ 経済産業省「IT人材需給に関する調査」
デジタル人材の需給ギャップについて、IT人材の不足数は2030年に最大で約79万人に達すると予測されている。
※ 内閣官房「新しい資本主義の加速に向けた重点計画」
リスキリングによる労働移動の推進について、政府は「新しい資本主義」の柱として、5年で1兆円の予算を投じて個人のリスキリング支援を表明している。
※ 厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方々へ」
フリーランス・副業の普及と法的保護について、2024年11月より「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行。
記事要約
- 創業の背景:代表の梅谷氏自身が飲食業から未経験でWebデザイン業界へ転身した経験が原点。「高額・短期間」というスクール業界の課題を解決するため、低価格で継続的な学びの場を創設した。
- 独自のサービスモデル:業界でも珍しい「卒業なし」のサブスク型を採用。Webデザインから動画編集、生成AIまで網羅する圧倒的なカリキュラム数と、月額制による高いコストパフォーマンスが強み。
- 経営のこだわり:代表が自ら全受講希望者の個別相談を実施。単なるスキル習得にとどまらず、仕事の獲得方法など「稼ぐための実務」を重視し、受講生とのミスマッチを防いでいる。
- 今後の展望:教育の場を超え、受講生がビジネスパートナーとして案件に携わる「お仕事のエコシステム」を構築。コミュニティ内で仕事が循環する仕組みを目指す。
取材企業の概要
- 企業名
- 株式会社Campus
- 住所
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〒160-0004
東京都新宿区四谷1-23-6 協立四谷ビル
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