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「人生の転機の不安を、安心へ」三菱商事・プルデンシャルを経て挑む「引越し業界」の変革。株式会社OSD代表ドッズ氏が描く、ライフイベントに寄り添う支援の未来

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株式会社OSD

代表取締役 ドッズ オスカー昴様

目次

日本の引越し業界は、営業コストが価格に転嫁され納得感を損ねやすく、長きにわたり「過酷な営業競争」という構造的な課題を抱えてきた。一括査定サイトに登録すれば、多数の営業電話が相次ぐこともある。そして、当日どのような作業員が来るかわからない、いわゆる「作業員ガチャ」。こうした消費者のストレスと、引越会社の低い成約効率という双方の課題を解消すべく立ち上がったのが、株式会社OSDだ。

代表取締役のドッズ オスカー昴氏は、三菱商事、プルデンシャル生命保険というキャリアを歩みながら、なぜあえてアナログな慣習が根強く残る「引越し」という領域の変革に身を投じたのか。主力サービス「引越マルシェ」の誕生秘話から、同氏が掲げる「ライフステージの決断に寄り添う」という経営哲学まで、その想いを深く掘り下げた。

現場で知った業界の歪み。効率と納得感が欠如した構造への違和感

株式会社OSDが設立されたのは2020年6月のことだ。現在、同社は引越しの見積もり代行サービス「引越マルシェ」を主力事業として展開しているが、創業当初からこのモデルがあったわけではない。ドッズ氏は創業からの約1年半、引越会社の営業代行、いわゆる営業支店の運営を請け負っていた。この現場での経験が、業界の構造的な歪みを浮き彫りにした。

ドッズ氏:「当時は、一般的な引越し比較サイトから提供される顧客情報をもとに営業をかけていました。こうした比較サイトの仕組みでは、登録された情報が複数の引越会社へ一斉に共有され、各社が他社に負けじと電話をかける激しい争奪戦になります。しかし、その過程で多大な営業コストが投じられている一方で、実際の成約率は決して高くありません。この非効率な仕組みが、結果としてサービスの適正価格や品質を阻害していると感じました

過剰な広告費や営業コストは、巡り巡って消費者が支払う料金に跳ね返る。さらに、消費者側は登録した瞬間に鳴り止まない電話に悩まされ、引越会社への不信感を募らせてしまう状況があった。

ドッズ氏:「お客様はストレスを抱え、引越会社は疲弊し、料金の納得感も得られにくい。誰も幸せにならないこの仕組みを変えたい。情報の流れを一本化し、私たちが窓口として全ての調整を代行すれば、この無駄なコストをカットし、お客様にも引越会社にも価値を提供できるのではないか。そう考えたのが『引越マルシェ』の始まりでした」

電話一本で完結する「引越マルシェ」の新しい比較体験

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「引越マルシェ」の仕組みは極めて合理的だ。ユーザーに代わって、同社のコールセンターが荷物内容や建物の条件を詳しくヒアリングし、その情報を提携する複数の引越会社のフォーマットに最適化して共有する。各社との価格交渉までをドッズ氏のチームが代行し、最終的なベストプランをユーザーに提案する。

デジタル化が叫ばれる昨今、あえて「電話」によるヒアリングを軸に据えている点には、ドッズ氏の戦略的な意図がある。引越しの見積もりでは、一般に家電のサイズやベッドの解体可否、マンションの養生ルール、エレベーターの有無など、確認事項は驚くほど多岐にわたる。

ドッズ氏:「これら全てをフォーム入力で完璧にこなそうとすると、お客様には多大な負担がかかります。一方で、プロが電話でヒアリングした方がお客様にとってもノンストレスで、かつ正確な見積もりを出せる手段なのです」

このサービスのもう一つの鍵は、不動産会社との強固なパートナーシップだ。不動産会社から紹介された顧客に対し、引越マルシェがコンシェルジュのように寄り添うことで、不動産会社は付帯サービスの質を向上させることができ、引越会社は過度な営業コストをかけずに案件を獲得できる。そこで削減されたコストが、ユーザーへの還元という形で反映される。まさに、三者が損しないシステムが形成されているのだ。

人生の重大な「決断」を正解にするためのサポート

ドッズ氏のビジネスに対する情熱の根底には、前職であるプルデンシャル生命保険時代の経験が色濃く反映されている。生命保険も引越しも、人生の大きな転機に発生する「決断」であるという共通点があるからだ。

ドッズ氏:「人が人生で悩み、決断を迫られるのは、常にライフイベントのタイミングです。結婚、出産、転職、親の介護、そして引越し。これらは人生を左右する重要なイベントでありながら、多くの人にとって経験値が低く、何が正解か分からない分野でもあります。経験がない中で、自分にとって最良の選択をしなければならない不安。その不安を安心に変え、お客様の決断をサポートすることこそが、私たちの存在意義です」

この「安心感」の提供は、紹介する引越会社のクオリティ維持にも徹底されている。引越マルシェでは、ネームバリューだけで会社を選ぶことはしない。

ドッズ氏:「大手企業だからといって、常に最高のサービスが受けられるとは限りません。特に繁忙期には、経験の浅いスタッフが現場を回すこともあります。一方で、私たちが提携している中小企業の中には、大手で経験を積んだプロフェッショナルが独立して作った会社も多い。こうした、本当に技術力とホスピタリティのある『精鋭企業』に光を当てたい。私たちは、お客様が『作業員ガチャ』に外れる確率を限りなくゼロに近づけるためのフィルターでありたいと考えています」

逆算の思考と、人間性を重視する組織づくり

創業から5年半。事業が軌道に乗るまでの道のりは決して平坦ではなかった。特にサービス立ち上げ初期は、反響が少ない時期もあり、既存の営業代行業務で収益を維持しながら、必死に新規事業の種を育てた。

その苦境を支えたのは、ドッズ氏の「人間ができることで、自分にできないことはない」という強い信念だ。この姿勢は、採用活動にも貫かれている。ドッズ氏がメンバーに求めるのは、スキルの高さよりも「人間性」だ。

ドッズ氏:「目標を掲げたら、そこから逆算して今何をすべきかを考える。できない理由を探すのではなく、どうすればできるかだけを追求する。その執念がなければ、0から1を創り出すことはできません」

ドッズ氏:「できないことができるようになるのは、努力次第でどうにでもなる。しかし、その人の根底にある考え方や誠実さといった人間性は、簡単には変わりません。価値観を共有でき、お互いを信頼できる仲間であれば、どんな困難も乗り越えていける。従業員には、この会社で働くことで、自分自身の価値が上がったと実感してほしい。そして、自分たちが業界を変えているのだという誇りを持ってほしい」

引越し業界のイメージを向上させ、日本の底力を上げる

今後の展望について、ドッズ氏は「引越し業界そのものの地位とイメージを向上させたい」と熱く語る。

ドッズ氏:「引越しは、人生の新しい門出を支える素晴らしい仕事です。しかし現状では、アナログな商習慣やサービスの分かりにくさから、ネガティブなイメージを持たれることも少なくありません。私たちは、複数の会社から価格を比較して最適なプランを申し込めるサイトのような利便性を追求しながら、質の高い会社を厳選して紹介することで、業界全体のサービスレベルを底上げしたい。お客様が安心して任せられ、作業員の方々も誇りを持って働ける。そんな健全な業界へと変革していく責任があると感じています」

さらに、その先には引越しという枠を超え、あらゆるライフイベントの決断を支えるプラットフォームへの展開も見据えている。最後に、起業や新たな挑戦を志す人々へのメッセージを伺った。

ドッズ氏:「三菱商事を辞める際、周囲からは『もったいない』と言われました。しかし、自分が本当にやりたいことに挑戦することに、もったいないことなんて一つもありません。過去のキャリアや常識に囚われず、自分がワクワクする選択をしてほしい。リスクを恐れる気持ちは分かりますが、動かなければ何も始まりません。まずは小さな一歩でもいいから、とりあえず動いてみる。そうした挑戦者が増えることが、結果として日本の底力を上げることにつながると信じています」

株式会社OSDは、引越しという生活に密着した領域に、誠実さとプロフェッショナリズムを持ち込んだ。ドッズ氏が描く未来は、単なる効率化の追求ではない。それは、業界全体のイメージを塗り替え、人生の岐路に立つすべての人に、最高の「安心」と「納得」を届けるための挑戦である。

記事要約

  • 「引越マルシェ」による業界変革:従来の比較サイトの課題であった「大量の営業電話」と「非効率な営業コスト」を、プロによる窓口一本化で解消。ユーザーにノンストレスかつ合理的な見積もり体験を提供。
  • 三者が損しないビジネスモデル:不動産会社との連携により、引越会社の集客負荷を軽減。削減された中間コストをユーザーへ還元する持続可能な仕組みを構築。
  • ライフイベントの決断支援:人生の転機に発生する「決断」の不安を安心に変えることを追求。前職の生命保険業界での知見を活かし、ユーザーの人生に寄り添うコンシェルジュを目指す。
  • 業界のイメージ向上への想い:知名度だけでなく技術力の高い精鋭企業を厳選し提携することで、サービス品質を確保。引越しを「安心して任せられる素晴らしい仕事」として、業界の地位向上に貢献する。
  • 経営者の挑戦心:総合商社・外資系金融出身のドッズ氏が、「人間ができることでできないことはない」という逆算思考で、アナログな慣習が残る業界のデファクトスタンダード創出に挑む。

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企業名
株式会社OSD
住所
〒106-0032
東京都港区六本木3-4-33

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