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サッカー推薦から年収約2000万、そして再起へ。LSIGN POST佐藤大夢が「若手教育」に心血を注ぐ理由
LSIGN POST株式会社
代表取締役 佐藤大夢様
大学2年生まで、彼はサッカー一筋の人生を歩んでいた。高校時代には全国ベスト16という輝かしい実績を残し、プロの道も視界に入っていた。しかし、一足先に夢を掴みかけた先輩から告げられた「プロ契約の提示額は年収200万」という現実に、彼は立ち止まる。夢を追う情熱だけでは超えられない「市場価値」の壁を痛感した瞬間であった。
そこからわずか数年。彼はビジネスの世界で頭角を現し、学生ながら年収約2000万円を稼ぎ出す。しかし、その先に待っていたのは、創業1期目にして資金繰りが悪化し、住まいを手放すなど厳しい状況に直面するという大きな試練となった。
LSIGN POST株式会社(エルサインポスト)の代表取締役・佐藤大夢が歩んできた道は、まさに波乱万丈である。なぜ彼はそこまでして「若手教育」にこだわるのか。日本経済を担う次世代のビジネスマンたちへ贈る、彼の挑戦と想いの軌跡を追った。
市場価値という現実が導いたビジネスへの転換
佐藤のキャリアを語る上で欠かせないのが、サッカーとの決別である。長年プロを目指してきた彼にとって、先輩が突きつけられた「年収200万」という現実は、あまりにも重いものであった。
佐藤氏:「サッカー選手になるのは難しいと感じたと同時に、市場規模や頑張るフィールドがいかに大切かということを、当時大学2年生ながらに痛感しました」
情熱を注ぐ対象をサッカーからビジネスへと切り替えた佐藤は、そこから驚異的なスピードで経験を積み上げていく。上場企業でのインターンをはじめ、営業、テレアポ、人材系など、あらゆる環境に飛び込んだ。2年、3年、4年と学年を重ねるごとにその実力は磨かれ、大学4年生になる頃には、営業プレイヤーとして年収約2000万円を稼ぎ出すまでになっていた。
就職活動では、複数社から内定を獲得した。しかし、佐藤はそのすべてを辞退する。「自分でやる」という強い意志のもと、大学4年の12月、LSIGN POSTを創業したのである。
創業1期目の試練と徹底した現場主義
華々しい実績を手にスタートした起業家人生であったが、現実は甘くなかった。創業1期目、新型コロナウイルスの感染拡大という予期せぬ事態が世界を襲う。さらに追い打ちをかけたのが、パートナー企業からの報酬未払いというトラブルであった。
佐藤氏:「営業代行の上位店が報酬を払ってくれないという事件が起きました。向こうも資金繰りが悪化していたのかもしれませんが、こちらは致命的でした」
資金繰りは一気に悪化し、佐藤は自らの住まいを引き払う決断をする。半年間に及ぶ「宿借り生活」を余儀なくされる厳しい状況となった。しかし、この絶望的な状況下にあっても、佐藤の心は折れていなかった
佐藤氏:「もう一度、自分自身がプレイヤーに戻って営業をやり抜きました。半年かけて自ら粗利を稼ぎ出し、軌道修正を図ったのです。今振り返れば、あの時期も楽しかったと言えます」
一度は経営者としてマネジメントに専念していた立場から、再び現場の最前線へ。自らの腕一本で会社を存続させるという経験は、彼の営業に対する自負と、組織のあり方に対する考えをより強固なものにした。
LSIGN POSTが重視する「若手人材の教育」という核心
LSIGN POSTが主力事業として展開しているのは、学生の就活・インターンの支援、および営業支援(営業代行)である。しかし、佐藤自身は自社のサービスを単なる「マッチング」や「アウトソーシング」とは捉えていない。
佐藤氏:「弊社の最大の強みは、一言で言えば『教育』です。若手の人材をいかに教育し、企業から選ばれる存在として送り出すか。そこにすべてを賭けています」
特に力を入れているのが、自社で抱えるインターン生の育成だ。単に営業のテクニックを教えるのではない。佐藤が最重視するのは、テクニックのさらに土台となる「マインド/思考」である。
佐藤氏:「教育には『マインド・ノウハウ・スキル』の3段階がありますが、まずはマインド/思考、つまり価値観の形成から始めます。なぜ働くのか、どういう人生を歩みたいのか。人生という大きな枠組みの中に仕事があるという考え方を徹底的に伝えます」
この教育方針は、取引先企業からも高く評価されている。LSIGN POSTから送り出された学生は、若いうちから「自分事」として仕事に取り組む姿勢ができあがっており、就職後すぐに幹部候補として期待されるケースも少なくないという。
佐藤氏:「『佐藤さんのところの学生は考え方がすごい』『こんな学生がいるのか』と驚かれることが多いです。礼儀正しさといった基本的な部分から、仕事に対する覚悟まで、彼らは高い基準を備えています」
組織力向上と、若手領域の「業界トップ」へ
現在、LSIGN POSTは第6期を迎えている。資金繰りの悪化を乗り越え、着実に成長を続けてきた同社だが、佐藤は現状に満足していない。彼が次に見据えるのは、組織としてのさらなる進化である。
佐藤氏:「これからは、個の力に頼るだけでなく、組織力をもっと高めていきたい。20代の若手が最も成長し、輝ける場所を作っていきたいと考えています」
今後5年から10年のビジョンとして、佐藤は明確な目標を掲げている。新卒紹介やインターン紹介といった若手領域において、業界トップを目指すことだ。また、メディアやSEO、LLMOなどウェブ領域への投資にも意欲を示している。
佐藤氏:「就活支援から始まり、20代の転職支援、および人材教育まで、若手のキャリアに一貫して関われる体制を築いていきたい」
サッカーで培った不屈の精神と、ビジネスの最前線で磨き上げた営業力。それらを次世代に繋ぐ「教育」へと昇華させた佐藤大夢の挑戦は、まだ始まったばかりである。LSIGN POSTというポスト(道標)が、日本経済を支える若きリーダーたちの未来を照らしていくことになるだろう。
記事要約
- 創業経緯:大学時代までサッカーに邁進していたが、プロの世界の厳しい年収水準を機にビジネスへ転換。大学4年時に年収約2,000万円を稼ぎ出す実績を上げ、卒業を待たずにLSIGN POSTを創業した。
- 最大の試練:創業1期目にコロナ禍と取引先の報酬未払いが重なり、資金繰りが悪化。代表自ら住まいを手放し、厳しい状況を経験しながら現場復帰して会社を立て直した。
- 主力サービスの強み:若手人材の「教育」に最大の重きを置いている。単なるスキル教育ではなく、人生のビジョンに基づく「マインド(価値観形成)」を徹底することで、企業から高く評価される人材を育成している。
- 今後の展望:新卒紹介・インターン紹介・20代の転職といった若手キャリア領域で業界トップを目指す。組織力の強化とメディアやSEOなどウェブ領域への投資を通じて、次世代のビジネスマンを支える基盤を構築する。
取材企業の概要
- 企業名
- LSIGN POST株式会社
- 住所
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〒101-0041
東京都千代田区神田須田町1-3-33 Bizfrex 7階
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