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経営者の時間を取り戻すバックオフィス支援とは? アンドヴィオラの伴走型オンライン秘書
アンドヴィオラ株式会社
代表取締役社長 石井 智美様
- 目次
中小企業の経営者にとって、事業成長の足かせになりやすいのが、日々のバックオフィス業務だ。経費精算や請求書発行、採用事務、資料作成など、ひとつひとつは小さく見えても、積み重なれば意思決定や事業開発に充てる時間を大きく削っていく。
こうした課題に対し、オンラインでのバックオフィス支援を提供しているのがアンドヴィオラ株式会社である。特徴は、単なる事務代行ではなく、経営者が抱える業務を整理し、何を切り出し、どこまで任せるかを一緒に設計していく“伴走型”の支援にある。
その中核を担うのが、代表取締役の石井氏だ。新卒以来、一貫して秘書業務に携わり、20年にわたって経営トップを支えてきた経験を持つ。現在はその知見をもとに「オンライン秘書」の発想をベースにしながら、バックオフィス全体を伴走型で支援するサービスへと領域を広げている。
経営者の時間を奪う「雑務」からの解放、「秘書」の再定義から始まったサービス
アンドヴィオラが掲げる基本理念は極めてシンプルかつ本質的だ。「経営者の時間をつくるサービス」である。アンドヴィオラの原点には、「秘書」という仕事に対する石井氏自身の問題意識がある。
創業当初は「秘書」という言葉を前面に打ち出し、経営者のパーソナルなサポートを強調していたが、現在は時勢に合わせ、より実務的な「バックオフィス代行」としての側面を強めている。しかし、その根底にある思想は変わっていない。
同社のサービス内容は多岐にわたる。タイムスケジュール管理といった伝統的な秘書業務はもちろん、資料作成、経費精算、総務・採用事務、さらには名刺やチラシの作成といった広報業務まで、一つのプランで包括的にカバーする。
特徴的なのは、依頼内容を固定せず、経営者ごとに支援範囲を設計していく柔軟性だ。石井氏は「使い方は本当にその方次第」と語る。
石井氏:「事務、総務、採用のお手伝いからチラシ作成まで。人手不足の中で社外にバックオフィスを置くメリットを感じてくださるお客様が増えています。代表である私自身に20年の秘書経験があるため、その経験を活かしたきめ細やかなサービスを提供できるのが強みです」
一般的な「オンライン秘書」と聞くと、指示されたタスクをこなすだけの受け身なサービスを想像しがちだ。しかし、石井氏が定義する秘書像は全く異なる。
石井氏:「秘書とは本来、ボスが『こういうことをやりたい』と言ったとき、それに必要な準備をすべて整え、その道をきれいに掃除して『どうぞ』と歩いてもらう仕事です。単なる雑用係でも、横でニコニコしているだけのお飾りでもありません」
経営者が何に困っているのかを察し、先回りして環境を整える。この「プロの秘書」としての立ち振る舞いこそが、同社のサービスの核心といえる。
3カ月かけて業務を“吸い上げる”オーダーメイドの導入設計
同社のサービス導入プロセスは、非常に丁寧だ。契約締結後、いきなり定型業務を割り振るのではなく、最初の3カ月間をかけて徹底的に経営者の困りごとを「吸い上げる」スタイルをとっている。
「忙しすぎて、何を頼めばいいかさえ分からない」という経営者は少なくない。石井氏は自らフロントに立ち、月1回のミーティングと日々のチャットツールでのコミュニケーションを通じて、経営者の頭の中にある「やりたいこと」と、その足枷となっている「雑務」を切り分けていく。
石井氏:「何しろ今忙しくて、自分の手から離したいというお客様が多い。だからこそ、3カ月かけてじっくりお話を伺いながら、業務体制を組み立てていくスタイルをとっています。オンラインだからこそ、意思疎通を疎かにせず、こちらからお仕事を引き出しにいく姿勢を大切にしています」
この「引き出す」プロセスが、結果としてコンサルティングに近い役割を果たす。
例えば、ある一人社長のケースでは、当初は請求書発行などの単純作業からスタートした。しかし対話を重ねる中で、その社長が5つの事業を抱え、頭の中にしかマニュアルがない状態であることが判明した。そこで石井氏は、社長が出席するミーティングの録画を共有してもらい、そこから業務を切り出す提案を行った。
さらには、従業員との契約関係が曖昧であることに気づき、業務委託契約書の叩き台作成まで提案。このように、経営者の「アンテナ」に引っかかっていないリスクや課題までをもカバーしていくのが、アンドヴィオラ流の伴走支援である。
社内ベンチャーからの挑戦、コロナ禍が証明した「オンラインの可能性」
アンドヴィオラの誕生には、石井氏自身の歩んできた道が深く関わっている。
新卒で大王製紙株式会社に入社し、当時の経営トップの秘書を務めた。その後、結婚・出産を経て、アンドヴィオラの親会社であるアジア航測株式会社で社長秘書を務めた。まさに「秘書の王道」を歩んできた石井氏だが、30代で大きな転機が訪れる。
石井氏:「二人目の子供が生まれた復帰直後、母親が癌になり、育児・介護・仕事の三つを同時にこなさなければならなくなりました。私は一人っ子だったので、逃げ場がなかった。それでも仕事を続けられたのは、当時の上司たちの理解があったからです」
この経験が、石井氏の中に「ライフステージが変わっても、オンラインであれば仕事を続けられるはずだ」という確信を植え付けた。
その後、アジア航測内で社内ベンチャー制度が立ち上がると、石井氏は「働きやすい会社を作りたい」「小規模な企業でもプロの秘書を活用できる仕組みを作りたい」と立候補する。
当初、役員陣の反応は冷ややかだった。「会ったこともない人に仕事を頼む人などいない」という反対の声も上がった。しかし、風向きを変えたのは予期せぬパンデミックだった。
石井氏:「コロナ禍によって世界が一変し、『石井が言っていたことはこういうことだったのか』と理解してもらえました。そこから独立し、今の会社を立ち上げることができたのです」
「経営者の孤独」を理解するからこそできること
石井氏が自ら経営者となったことで、同社のサービスはさらなる進化を遂げた。かつては「支える側」として経営者の隣にいた彼女が、自らも「決断する側」の苦悩を知ったからだ。
石井氏:「経営者の気持ちが心から理解できるようになりました。社員には知られたくないデリケートな相談や、DX化したいけれど何から手をつけていいか分からないといった漠然とした不安。自分が経営者になったからこそ、『あ、社長はあの時こんな気持ちだったんだ』と腑に落ちることがたくさんあります」
経営者の思いや構想を受け止め、それを具体的な実務へと落とし込む。石井氏自身がフロントに立ち続ける現在は、顧客から「あなただから任せたい」という厚い信頼を得ている。
現在、同社は石井氏が吸い上げた業務を、社内スタッフと在宅で働くパートナーが連携しながら実務を遂行する体制をとっている。そこには、石井氏がかつて夢見た「誰もが輝ける社会」の縮図がある。
次の視野は、オンラインで働く人たちへの支援
創業から4期目を迎え、アンドヴィオラは次なるステージを見据えている。今後のビジョンとして石井氏が掲げるのは、オンラインで働く個人たちの支援だ。
石井氏:「個人でオンライン秘書をしている方々は、実はすごく孤独です。クライアントに聞けない些細な悩みや、単価アップの難しさ、時にはカスタマーハラスメントのような状況に置かれることもあります。そうした方々のメンターとなり、支えていけるようなサービスを長期的には考えています」
自らが経営者であり、秘書であり、そして一人の働く女性として苦労を重ねてきたからこそ、その視線は常に「現場」と「人」に向けられている。
「縁の下の力持ち」として歩んできた20年の経験は、いま多くの経営者の業務整理と時間創出に生かされている。アンドヴィオラが提供しているのは、単なる作業代行ではなく、経営者が本業に集中するための体制づくりを支えるサービスだ。
代行ではなく、経営者が本業に戻るための仕組み
アンドヴィオラのサービスは、単にバックオフィス業務を請け負うものではない。
経営者の頭の中にある未整理の業務を言語化し、切り出し、外部で回る形へ変えていく。その過程を、秘書としての経験を持つ石井氏が前面に立って設計している。
「何を任せればいいか分からない」
「社員には出しづらい仕事がある」
「本業に時間を戻したい」
そうした課題を抱える経営者に対し、同社は“手を動かす代行先”である以前に、“業務を整える伴走者”として機能しようとしている。経営者の時間をつくる。そのシンプルな理念を、実務の現場で形にしている企業だといえそうだ。
記事要約
- コアバリュー:20年のプロ秘書経験を持つ代表が、単なる作業代行ではなく「経営者の時間をつくる」ための伴走型バックオフィスサービスを提供。
- 独自のスタイル:導入初期の3カ月間で経営者の悩みや隠れた課題を「吸い上げる」ヒアリングを重視し、オーダーメイドの支援体制を構築。
- 創業の背景:大手企業の社長秘書を務めた代表が、自身の介護・育児の経験から「オンラインで働き続けられる環境」の必要性を痛感し、社内ベンチャーとして起業。
- 提供サービス:スケジュール管理、経理、総務、採用、広報物作成など、バックオフィス全般をオンラインで一括サポート。
- 今後の展望:経営者支援に加え、孤独になりがちなオンラインワーカー(個人秘書等)のメンター的役割を果たすプラットフォーム構築を目指す。
取材企業の概要
- 企業名
- アンドヴィオラ株式会社
- 住所
-
〒194-0041
東京都町田市玉川学園7-4-7 三睦ビル
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