二次活用&記事掲載無料!
注目企業特集
美容医療の知見を日常へ。株式会社Xology・孫駿一郎氏が語る、医療発ホームケアブランドの挑戦と時短美容の思想
株式会社Xology
代表取締役 孫 駿一郎様
- 目次
経済の最前線で戦うビジネスパーソンにとって、時間は唯一平等であり、かつ最も希少な資源だ。その限られた時間の中で、いかにして「美」と「健康」を維持できるか。この問いに対し、美容医療の現場から実践的な答えを提示しようとしているのが、株式会社Xology(エクソロジー)を率いるドクター、孫駿一郎氏である。
母体となる「X CLINIC」の運営を通じて培われた高度な知見を、いかにして一般消費者の「ホームケア」へと落とし込むのか。幹細胞培養液やエクソソームといった成分を軸に展開される同社の事業は、単なる化粧品開発の枠を超え、多忙な現代人のライフスタイルに寄り添う新たな選択肢を提案している。
孫氏への取材を通じて、ブランドの原点から製品に込めた想い、そして経営者として直面している資金面やマーケティングの課題まで、現在進行形の「挑戦」を深く掘り下げる。
クリニックのクオリティを自宅で。医療現場の声から生まれたブランド
株式会社Xologyの事業の根幹にあるのは、「美容と健康を一生伴走する」という理念だ。同社は、国内に5院を展開する「X CLINIC」という美容医療の現場から派生して誕生した。(2026年4月よりXCLINIC 4院、カジュアルクリニック 1院)
創業のきっかけは、クリニックに通う患者から寄せられた「家が遠くて、なかなかクリニックまで足を運べない。自宅でも気軽にクリニックのクオリティを味わえるものがあればいいのに」」という切実な声だったという。
こうしたニーズに応えるため、現場で培った知見と経験を活かし、日常のケアを支えるブランドとして「Xology」を立ち上げた。
「Xology」という社名は、「X CLINIC」の頭文字と、学問や理論を意味する「logy」を組み合わせた造語である。「X」には、「あなた(誰か)」「未解」「Trans(X)-formation」などの意味も含んでいるという。孫氏が重視したのは、クリニックでの特別なケアと、自宅での日常的なメンテナンスの「両立」だ。
孫氏:「美容クリニックに通って施術を受けるのは、多くても2週間に1回や月に1回。しかし、人生において最も長い時間は、朝晩の洗顔や入浴といった、自宅での日常の中にあります。その時間をいかに有効に活用し、美と健康に寄り添えるか。それが我々の原点です」
孫氏が提唱する「時短美容」という設計思想
孫氏が開発において最も意識したのは、多忙なビジネスパーソンのライフスタイルに合致する「時短」という価値観だ。多くの人々にとって、クリニックへの往復に時間を費やすことは、継続的なケアとしてはハードルが高い側面がある。
孫氏:「おうちにいる時間が最も長いからこそ、そこでのメンテナンスを効率化することが重要になります。いかに短い時間で、納得のいくケアができるか。限られた時間の中で結果を求める現代人のためのホームケアを目指しました」
この思想を象徴するのが、同社の第一弾製品である美容液(ブースターセラム)だ。孫氏はこれを「時短オールインワン」という思想で捉えている。実際、孫氏自身はこの美容液1本で日々のスキンケアを完結させているという。
孫氏:「私自身は化粧水も乳液も一切使わず、このセラム1本で肌の状態をキープしています。日焼けもしやすく乾燥しやすい環境であっても、私個人としてはこれで十分だと実感しています。忙しい朝、スキンケアに費やす時間を短縮できれば、それは人生における『資産』としての時間を創出することに他ならないと考えています」
なお、公式サイトでは、個々の肌状態に合わせて化粧水の後、もしくは洗顔後すぐの肌に使用する方法も案内されており、孫氏の個人的な実感・思想をベースにしつつも、ユーザーのニーズに柔軟に対応できる設計となっている。
医療発の知見と、全方位訴求ゆえの「マーケティングの悩み」

製品の機能面において、Xologyはヒト幹細胞培養液やエクソソーム、NMN誘導体といった成分に注力している。特にエクソソームについては、孫氏を含む医療チームが早い段階からその可能性に着目してきた。
孫氏:「エクソソームは現在もエビデンスを集めている段階ではありますが、一部の論文等を見ると有効性への期待は非常に高い。時代の流れを捉えた知見をいち早く取り入れました」
孫氏によれば、肌の老化や赤みの原因の多くは「炎症」に集約されるという。「炎症を鎮めることに関しては、絶対的に自信がある」と孫氏は語る。そのため、敏感肌の方にも配慮し、不要な添加物を排除した「8つのフリー処方」などの設計を志向している。
しかし、この「多機能さ」がマーケティングにおいては課題となることもあると孫氏は率直に明かす。
孫氏:「強みが多すぎて、逆に『どこに一番効くのか』が伝わりにくい側面があります。ニキビやシミといった特定の悩みに『一点突破』で訴求する方が、一般の方には分かりやすかったのかもしれません。孫氏によれば『炎症を鎮める鎮静効果については一番強いと考えている』が、他の効果・効能も豊富であるがゆえに、十分に伝えきれていないのが現状の反省点です」
実際、現在の顧客はクリニックの既存患者からの紹介やリピーターが中心だ。一度使用して納得し、数十本単位でリピートする熱狂的なファンも存在するが、一般層への認知拡大はこれからのフェーズだという。
経営者としてのリアリティ。「お金」と「未来」への葛藤
孫氏:「何事もそうですが、やはりゼロからイチを創り出すのは非常に難しい。いいものを作れば勝手に売れるというほど、世の中は甘くありません。経営者の悩みの多くは資金面にあるのが現実ではないでしょうか」
また、経営と現役ドクターとしての職務を両立させる難しさについても語る。
孫氏:「私自身が現場で手術に立つ役割が増えており、Xologyの半年後、1年後の展開に関しては、まだ十分に議論しきれていない部分があるのが正直なところです」
自社の弱みや課題を包み隠さず話す孫氏の姿勢には、医学という論理に基づいた誠実さが滲み出ている。
美から口腔ケア、そしてトータルウェルネスへ
Xologyの挑戦は、スキンケアだけに留まらない。現在は美容液に加え、アートメイクの知見を活かした眉マスカラ、そして審美歯科のドクターが監修した歯磨きジェル(医薬部外品)の3商品を展開している。
特に歯磨きジェルは、研磨剤・発泡剤を使わずに歯と歯茎の健康を維持するという、審美歯科の現場の声を形にしたものだ。
孫氏:「美容液での肌ケアから始まり、眉、そして口腔ケアへ。これらはすべて『美と健康』という共通の軸で繋がっています。今後は食事の分野、サプリメントやプロテインなどの開発も視野に入れ、内側からの美しさもサポートしていきたい」
孫氏が描く未来のXologyは、単なるホームケア&スキンケアブランドではない。30代以上の、効率を重視しつつクオリティにも妥協しないビジネスパーソンが、日々を楽しく、効率よく過ごすための伴走者だ。
孫氏:「クリニックでのプロフェッショナルなケアと、自宅での日常的なメンテナンスが、一つの大きな輪として完結する。そんなブランド体験を一歩ずつ体現していくことが、これからの大きな課題であり挑戦です」
美容医療の叡智を、いかに日常の短い時間の中に集約できるか。孫駿一郎氏とXologyの歩みは、現代人のライフスタイルに「時間」と「自信」を取り戻すための、着実な一歩である。
本記事で言及された成分(ヒト幹細胞培養液、エクソソーム、NMN誘導体等)に関する研究は現在も進展中であり、その効能の現れ方には個人差があります。製品の使用にあたっては、公式サイトに記載された全成分表示や使用方法、注意事項を必ずご確認ください。また、肌に異常を感じた場合は直ちに使用を中止し、専門医に相談することが推奨されます。
記事要約
- 創業背景:X CLINICの患者からの「自宅でもクリニック品質のケアをしたい」というニーズに応え、美容医療の知見を活かしたホームケアブランド「Xology」を設立。
- 製品思想:多忙なビジネスパーソン向けに「時短美容」を提唱。孫氏自身は美容液1本でケアを完結させており、日常のメンテナンスを効率化する設計を志向している。
- 製品展開:ヒト幹細胞培養液やエクソソームを配合した美容液のほか、審美歯科監修の医薬部外品の薬用歯磨きジェル、アイブロウマスカラなど、医療現場の知見に基づいたプロダクトを展開。
- 経営の現状:製品の品質には絶対的な自信を持つ一方、スタートアップとしての資金調達や、多機能ゆえに強みが伝わりにくいマーケティング面、将来戦略の策定など、発展途上の課題にも直面している。
- 今後の展望:スキンケアから口腔ケア、インナーケアまでを網羅し、30代以上の層が「美と健康」を効率よく享受できるトータルウェルネス企業への成長を目指す。
取材企業の概要
- 企業名
- 株式会社Xology
- 住所
-
〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南3-1-1 いちご恵比寿グリーングラス6F
新着記事
-
未経験層を「戦力」へ変える教育の力。ジェイックが挑む、中小企業と若者を結ぶ採用パラダイムの転換
労働力不足が深刻な社会課題となる中、採用市場は空前の「若手争奪戦」の様相を呈している。特にリソースの限られた中堅・中小企業にとって、優秀な人材の確保と育成は死活問題だ。こうした中、教育を主軸に置いた独自の採用支援で、全国の大手・中堅中小企業 108,657社(同社公表、2025年5月末時点)と接点を持つ企業がある。東証グロース市場上場の株式会社ジェイックだ。 -
ソフトウェアが製品の命運を握る時代の「品質」とは。技術者集団エクスモーションが描く、AI時代のモノづくり再定義
日本の基幹産業である自動車をはじめ、航空機、電子体温計、さらにはスマート便座に至るまで、現代のあらゆる製品の中核を担っているのが「組み込みソフトウェア」である。しかし今、この開発現場はAIの台頭という歴史的な「転換期」に直面している。 -
サッカー推薦から年収約2000万、そして再起へ。LSIGN POST佐藤大夢が「若手教育」に心血を注ぐ理由
大学2年生まで、彼はサッカー一筋の人生を歩んでいた。高校時代には全国ベスト16という輝かしい実績を残し、プロの道も視界に入っていた。しかし、一足先に夢を掴みかけた先輩から告げられた「プロ契約の提示額は年収200万」という現実に、彼は立ち止まる。夢を追う情熱だけでは超えられない「市場価値」の壁を痛感した瞬間であった。 -
医療機器の貿易赤字2兆円に挑む──サナメディが埋める医療イノベーションの「ミッシングピース」とは
日本の医療機器分野は、日本企業の海外生産品が含まれているものの長年輸入超過が続き、近年では2兆円を超える規模の貿易赤字を抱える。この構造的な課題に対し、医師として医療機器を扱ってきた経験に加え、米国FDAでの審査官経験、さらにグローバルメーカーでのキャリアを武器に、真っ向から挑んでいる人物がいる。サナメディ株式会社の代表取締役、内田毅彦氏だ。 -
伝統工芸を「世界に通用するギフト」へ。元大塚家具・匠大塚の知見を活かし、アルテスペースが浅草から挑む日本のものづくり販売支援
地方の伝統工芸がいま、存続の危機に瀕している。なかでも「売り方」の課題は、現場において深刻だ。少子高齢化による後継者不足に加え、優れた技術を持ちながらも、現代の市場ニーズや海外需要に合わせた「売り方」に課題を抱えるケースは少なくない。
