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注目企業特集

不登校から18歳で「令和の呉服商」へ。Regalis Japan Groupが仕掛けるオーダースーツDXと、若き経営者・井上氏が描く「100年を担う総合商社」の全貌

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Regalis Japan Group株式会社

代表取締役 井上幹太様

目次

日本のビジネスシーンにおいて、今、着実にその存在感を高めている若手経営者がいる。Regalis Japan Group株式会社を率いる井上氏だ。現役大学生でありながら、中学生での起業以来、泥水をすするような努力を重ねてきた彼が現在メインに据えるのは、レガシー業界の象徴とも言える「オーダースーツ」の領域である。

AIアルゴリズムによる感性の数値化、在庫を持たない圧倒的なバリエーション、そして働く学生インターンにスーツをプレゼントするという独自の組織文化。伝統と革新を掛け合わせ、若者の挑戦を支援する「令和の呉服商」の挑戦と、その根底にある経営哲学に迫った。

デジタルと感性の融合。オーダースーツ業界のDXに挑む

井上氏:「オーダースーツ業界は、未だに非効率な慣習が残るレガシー業界の代表格です。だからこそ、デジタルの力で誰もがどこにいてもオーダースーツに触れられる機会を提供したい。そうした思いからこの会社を設立しました」

井上氏が語る事業の柱は、オーダースーツの企画・制作・販売、そしてOEM供給だ。特筆すべきは、同社が単なる「スーツ屋」ではなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)領域に深く踏み込んでいる点にある。井上氏は、スーツ作りの工程に徹底したデジタル化を持ち込み、伝統的な職人技をシステムへと昇華させている。

同社が提供するサービスフローは、大きく4つのステップで構成されている。

一つ目が「Dialogue(ダイアログ)」だ。電子カルテ形式のヒアリングにより、ユーザーのニーズを徹底調査する。二つ目は「Fabric Library」。世界中および国内産の多数の生地から最適な一着を選択できる。三つ目は「Pattern Making」。3D採寸データと手書きスケッチを融合させた独自の型紙設計システムだ。そして四つ目が「Fitting & Care」。購入後の保管や生地ごとの最適なメンテナンス方法までをトータルでサポートする。

特に注目すべきは、井上氏が独自に開発したAIアルゴリズムによる診断システム「RAT診断(Regalis Arche Type)」だ。「感性を数値化する」をテーマに、骨格、筋肉の付き方、姿勢の癖(猫背、反り腰など)、脚のライン(X脚・O脚)、いかり肩やなで肩といった身体的特性を解析。これまで熟練フィッターの長年の経験に頼っていた「補正」のプロセスをシステム化し、手採寸も併用しつつ、大幅な効率化を進めている。

井上氏:「店舗で30分以上かかっていたヒアリングを、電子カルテ化することで3分程度にまで短縮しました。実に10分の1の効率化です。この短縮した時間を、お客様が本当にこだわりたい生地選びやデザインの相談に充てる。これが私たちの提供する価値です」

独自の「AI採寸」がもたらす、次世代型のパーソナライズ体験

井上氏が取材中に最も熱量を込めて語ったのが、AI採寸「RAT診断」を活用した採寸と診断の効率化についてだ。従来のオーダースーツ作りにおいて、採寸とヒアリングは最も時間がかかり、かつ顧客にとっても負担の大きい工程だった。

井上氏:「これまで、お客様が店舗に足を運んでから、どのような用途で着るのか、どのような体型の悩みがあるのかを一つひとつ聞き出すのに、最低でも30分は必要でした。しかし、これでは忙しい現代のビジネスマンや、スーツに馴染みのない若者にとってハードルが高すぎます」

そこで同社が導入したのが、スマホ等で事前回答し、来店時のヒアリングを短縮したり、自分に最適なスーツがどんなものか提案する仕組みである。

RAT診断は、わずか3分程度の入力で完了する。ビジネスや冠婚葬祭といった「用途」や「好み」を事前に整理し、その情報をAIが学習。個性に合ったイメージをあらかじめ発掘できるのが最大の特徴だ。さらに、3D採寸のデータと連動することで、オンラインとリアルの垣根をなくしている。

井上氏:「事前にデータをいただくことで、店舗に来たときにはすでに、その方の体の特性や好みの方向性が可視化されています。フィッターは、そのデータをもとに実際に体に触れて微調整を行うだけ。これにより、ヒアリング時間を大幅に短縮しつつ、より精度の高いフィッティングが可能になりました。短縮した時間を接客に回すことで、価格と体験の両立を狙う、まさに私たちのDXの形です」

このシステムは、若者の間で親しまれている性格診断のような感覚で、楽しみながら自分のスタイルを発見できる工夫がなされている。井上氏は、このシステムによって「職人の感覚を標準化すること」を目指している。ベテランのフィッターしかできなかった高度な補正や提案を、デジタルの力で再現可能にすることで、サービスの質を均一化し、より多くの人へ高品質なスーツを届けることができるのだ。

井上氏:「デジタルとアナログの融合こそが、今の時代に求められるサービスだと確信しています。効率化で生まれた『余白の時間』を使って、お客様とより深いコミュニケーションを取り、その方の人生に寄り添う一着を一緒に作り上げる。これこそが、私たちが目指す新しいオーダースーツの形です」

「在庫を持たない」強みと圧倒的な価格競争力

オーダースーツ市場において、同社が既存のモデルと一線を画しているのが「バリエーションの多さ」と「価格」の両立だ。

通常、大手企業がこれほど多様な生地を取り揃えようとすると、膨大な在庫リスクを抱えることになる。しかし、井上氏は全国各地に広がる生地屋とのネットワークを駆使し、オーダーが入った瞬間に発注を行う「完全受注型」のモデルを構築した。

井上氏:「スワッチブックだけでも15から20冊以上、生地の種類は数え切れないほどあります。イタリアの最高級生地であるV.B.カノニコやゼニアなども取り揃えています。国内の工場と直接連携しているため、日本全国の在庫を即座に確認し、取り寄せる。在庫を持たない設計だからこそ、大手には不可能なメニューの多様性を実現できているのです」

同社のスーツは、最高級の生地を使いながらも、10万円前後から提供可能だという。効率的なシステム運用と、無駄を削ぎ落とした供給網が、この高いコストパフォーマンスを支えている。また、同社はD2C(消費者直接取引)だけでなく、OEM供給にも力を入れている。独自のシステムと供給網を他社に提供することで、業界全体の底上げを図る狙いだ。

不登校の「悪ガキ」がスーツに込めた覚悟

井上氏の経営スタイルの根底には、彼自身の壮絶な原体験がある。

井上氏:「僕は中学時代から起業していますが、当時は不登校の『悪ガキ』でした。大人のビジネスマンと接する機会が多い中で、周りがスーツをバシッと決めているのに、僕はパーカー。当然、周囲からは『その格好はどうなんだ』と叱咤されました。それがスーツを着るようになったきっかけです」

当初は体裁を整えるために着始めたスーツだったが、袖を通すうちに心境に変化が訪れたという。スーツを着ることで、自分自身のやる気がスイッチし、仕事モードへのメリハリがつく。相手への印象も劇的に変わる。井上氏はその価値を身をもって知った。

しかし、同世代の若者たちを見渡すと、スーツは「高い」「重い」「ハードルが高い」と敬遠されている現状があった。

井上氏:「若者がもっと挑戦しやすくなるように、スーツをより身近な存在にしたい。自分がスーツに救われたように、これから社会に出る若者たちにも、スーツという武器を手にしてほしいんです」

現在、同社の顧客ターゲットは1年目の若手社会人や就職活動を控えた学生、さらに挑戦を続ける経営者たちだ。井上氏自身の「不登校から這い上がってきた」というストーリーが、挑戦する若者たちの共感を呼び、広告に頼らないリファラル(紹介)中心の集客を実現している。

「登場人物すべてが幸せに」斬新すぎるインターン制度

井上氏の経営判断の基準は極めてシンプルだ。「誰かのためになっているかどうか」である。その最たる例が、業界の常識を覆す学生インターン制度だ。同社では、3ヶ月間インターンとして働いた学生に対し、オーダースーツを1着プレゼントしている。(※)

井上氏:「成人式でこだわりのスーツを着たいけれど、高くて手が出せない。そんな学生たちのために、3ヶ月前からうちで働いてもらい、成人式のタイミングでスーツをプレゼントする。これは、人手不足で若手が取れないという社会課題と、学生の『良いスーツが欲しい』というニーズを同時に解決する仕組みです」

大手企業でも真似できないこの思い切った投資の裏には、緻密な長期戦略がある。インターンとして自社のサービスを深く理解し、魅力を感じた学生たちが、将来経営者や社会のリーダーになったとき、再び顧客として戻ってくる。「若者を育てる」ことが、そのまま将来の顧客基盤の構築に繋がっているのだ。

採用の条件もまた独特だ。「時間があること」と「誰かのために行動できる挑戦心があること」。この2つさえあれば、基本的にはどんな学生でも受け入れるという。

井上氏:「僕たちの会社は、学生が主体となって動いています。彼らが現場で学び、自分たちの手で価値を作り出す。そのプロセス自体が教育であり、僕たちが社会に提供できる価値の一つだと思っています」

※諸条件あり、詳細はお問い合わせください

「隣の人を幸せにできる人間」を育てる

Regalis Japan Groupが掲げる理念、それは「全ての関係者の幸せ」だ。

井上氏:「僕が口酸っぱく言っているのは、『隣の人を幸せにしよう』ということです。役員、家族、パートナー、誠実にお付き合いいただいているお客様。すべての人がこの会社に関わってよかったと思える環境を作りたい。たとえうちの会社を辞めたとしても、井上と一緒に働いたことがその人の幸せに繋がっていれば、それでいいんです」

井上氏自身、不登校時代に「落ちこぼれ」と蔑まれた経験があるからこそ、人一倍「尊敬と感謝」を大切にしている。何も持っていない人間だからこそ、人一倍頑張る。泥水をがぶ飲みしてでも努力し、応援される人間になる。その覚悟が組織全体に浸透している。

井上氏:「僕個人としては、関わってくれるすべての人にファンがつくような活動をしていきたい。一人ひとりにストーリーがあり、それを発信することで、誰かの目標になる存在を目指しています」

この「ファンづくり」は、オーダースーツのフィッターという職種とも密接に関係している。

井上氏:「スーツ屋さんって、なぜかフィッターにファンがつくんですよ。接客から採寸、制作のディレクションまで、お客様と向き合う全行程を一人で担うからです。僕たちの会社では、スタッフ一人ひとりが自分自身のストーリーを語り、お客様と深い信頼関係を築けるような環境を整えています」

80年寄り添い「100年を担う呉服商」へ

井上氏が描く5年後、10年後の未来は、単なるスーツ屋の枠を遥かに超えている。

井上氏:「僕たちは自分たちを『呉服商』と名乗っています。三越伊勢丹の創業者である三井高利を尊敬しており、彼らが反物から総合商社へと発展したように、僕たちも人生100年時代において、そのうちの80年を寄り添い続けられる総合商社を目指しています」

その構想はすでに動き出している。女性向けスーツへの本格展開はもちろん、産後ケア事業や学生向けの教育事業(日本学生アンバサダー協会)など、ライフステージのあらゆるフェーズに価値を提供する準備を進めている。

井上氏:「1歳から100歳まで、すべての人に価値を提供できる。そんな総合商社への片鱗を、今後5年で見せていきたいと思っています」

最後に、起業を志しながらも一歩を踏み出せずにいる同世代へのメッセージを求めると、井上氏は力強く、そして簡潔に答えた。

井上氏:「しろよ!の一言に尽きます(笑)。会社を建てるのは誰でもできます。でも、経営は一人ではできない。だから、まずは行動すること。そして『仲間を作ること』。それがすべてです」

18歳の若きリーダーが率いるRegalis Japan Group。彼らが仕掛ける「伝統とデジタルの融合」は、オーダースーツという一着の服を通じて、日本経済に「挑戦する勇気」という新たな息吹を吹き込もうとしている。不登校だった少年が、スーツという武器を手に、100年を担う企業の礎を築こうとする姿は、多くのビジネスマンにインスピレーションを与えるだろう。

記事要約

  • AI採寸「RAT診断」による変革:独自開発の診断システム「RAT診断」により、スマホ等での事前回答を通じて用途や好みを整理。手採寸も併用しつつ、従来30分以上かかっていた工程を3分に短縮する革新的な効率化を進めている。
  • 効率化による価値創出:短縮した時間を接客に回すことで、価格と体験の両立を狙う。3D採寸データとAIアルゴリズムを駆使し、熟練職人の知見をデジタルで標準化することを目指している。
  • 独自のビジネスモデル:全国規模のネットワークによる「在庫を持たない完全受注型」を確立。イタリア製高級生地を含む多数の生地を取り揃え、10万円前後という高いコストパフォーマンスを実現。
  • 「令和の呉服商」としてのビジョン:標準化を目指すことで、将来的には、誰もがどこでも高品質なオーダースーツを体験できる仕組みを構築することを目指す。スーツのみならず産後ケアや教育など、100歳までの人生に寄り添い、その「100年を担う」総合商社への発展を目指す。

取材企業の概要

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企業名
Regalis Japan Group株式会社
住所
〒102-0083
東京都千代田区麹町6丁目2-1 麹町サイトビル6階 Room Z

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