経済報道テレビ (KHTV)は元TBS系列のテレビ局報道記者達がWEB動画で経済ニュース、企業特集、経営者密着、商品解説など最新情報をお伝えするニュースメディアです。

注目企業特集

人事評価システム「評価三味」とは? K2インフィニティーズが20年以上支え続ける現場改革

企業ロゴ

株式会社K2インフィニティーズ

代表取締役 安元 邦昭様

目次

株式会社K2インフィニティーズは、人事評価アプリケーションパッケージの開発・販売・導入支援・運用保守を手がける企業である。主力製品「評価三味(ひょうかざんまい)」は、1990年代後半に端を発し、2000年の開発、2002年の初導入を経て、現在も人事評価の現場を支えている。前身企業の事業縮小を受け、2013年に既存顧客の理解を得ながら独立した。各社で異なる評価制度に対し、スクラッチ開発ではなくパラメータ設定で柔軟に対応できる点が大きな特徴だ。

「二番目」であることの誇り、社名に込められた真意

株式会社K2インフィニティーズという社名には、経営理念が凝縮されている。安元氏はその由来を「山のK2から取った」と明かす。カラコルム山脈に位置する世界第2位の高峰・K2は、登山家にとって非常に美しく、かつ険しい存在として知られる。しかし、安元氏がこの名を冠した理由は、その高さ以上に「2番目」という立ち位置にある。

「1番はお客様。私たちは、お客様を引き立て支援する存在であり続ける」という考えが、社名の背景にある。常に顧客を主役とし、自らは黒子としてその活動を支える最良のパートナーを目指す。この「2番目であれ」という謙虚な姿勢こそが、同社のすべてのサービスの根幹となっている。

荒波の中での独立と、顧客と共に歩む決意

同社の主力製品である人事評価システム「評価三味」の歴史は長い。そのルーツは1997年まで遡り、2000年に開発、2002年には最初のユーザーへの導入が開始された。当初は別のIT企業の1事業部として、ミドルウェアを中心とした事業の幅を広げる目的で立ち上げられたプロジェクトだった。

しかし、2013年、大きな転機が訪れる。当時の親会社の経営方針や景況感の変化により、当該事業部が縮小の対象となったのである。多くの企業が事業撤退や売却を検討する局面において、安元氏ら当時のメンバーが選んだ道は、自分たちの手で事業を引き継ぐ「独立」だった。

安元氏:「難しいとは思いつつも、現状のお客様にご理解いただけたので、そのお客様と共に別の環境で始めた」

長年システムを使い続けてきた顧客を路頭に迷わせるわけにはいかない。この強い責任感こそが、株式会社K2インフィニティーズ誕生の原動力であった。

「評価三味」が解決する、人事担当者の目に見えない苦悩

人事評価の実務は、想像以上に過酷だ。目標設定から始まり、期中の進捗管理、評価票の回収、そして最終的な集計から処遇への反映まで、一連の業務は多岐にわたる。特に中小企業においては、人事専任の部署がない場合も多く、業務のピーク時には担当者に多大な負荷がかかる。

「評価三味」という名称は、「評価管理」「目標管理」「処遇管理」という3つの「味(柱)」を網羅していることに由来する。安元氏は、このシステムがもたらす価値について、現場の負担軽減にあると語る。

安元氏:「人事評価は準備から進捗管理、回収、集計まで一連の業務があり、ルーチン的にこなせるものでもない。仕組みがカバーすることで、今まで大変だった部分は楽になったという声がある」

同社のサービスは、現在「三味クラウド」として提供されているが、その強みは「超汎用」とも言える柔軟性にある。評価制度は企業ごとに千差万別であり、法改正や組織変更に伴う制度改定も頻繁に起こる。これをスクラッチ開発で対応するのではなく、パラメーターの設定変更だけで各社の独自制度に合わせられる仕組みを構築している。

徹底したコスト意識と、中小企業への貢献

昨今の人事系システム市場は、多機能な総合パッケージが主流となっている。しかし、安元氏はあえて「人事評価への特化」と「圧倒的な廉価」を追求する道を選んでいる。

価格について安元氏は、導入の目安として「1人400円程度×人数」と説明する。Excelや手作業で評価管理を行っている企業にとって、IT活用の第一歩を踏み出しやすい設計を意識している点もうかがえる。

安元氏:「お金があるところは対象にしていない。できるだけ安く、手軽に導入してみて、経営層にその価値を認めてもらえるような、きっかけのツールでありたい」

高価なシステムを導入できない企業のリソース不足を救いたいという、地に足の着いた使命感が伝わってくる。

悔しさを糧に、次なるステージへ

経営を続ける中で、順風満帆な時ばかりではない。かつて10年以上にわたって支えてきた大規模な顧客が、他社の後発ツールへのリニューアルを機に離れていった経験がある。

安元氏:「後発のいいツールに負けてしまったのは悔しかった。トップが変われば新しくしたいという発想もある。経営的なジャッジメントからは逃れられない」

その言葉の端々には、長年システムを育ててきた自負と、進化の必要性への認識が滲む。

現在、同社はシステムの老朽化という課題に向き合っている。世の中はAIの活用が当たり前となりつつあるが、既存顧客の安定稼働を最優先にしながら、いかにして最新技術を取り入れていくか。安元氏は「事業継続こそが最大の課題」としつつも、先行きが見通しにくい時代だからこそ、AIの取り込みも含めた刷新を視野に入れていると語った。

創業時の独立という決断から現在に至るまで、同社を支えてきたのは「今あるサービスを止めない」という顧客への誠実さだ。派手な成長戦略を掲げるのではなく、まずは目の前のお客様に貢献し続けること。その積み重ねの先に、新たな技術との融合を見据えている。

株式会社K2インフィニティーズは、これからも「2番目」の立ち位置を大切にしながら、多くの企業の人事評価の現場をシステムの裏側から支えていく。


人事評価の運用実態と負担
※ リクルートマネジメントソリューションズ人事評価制度に対する意識調査
人事評価制度の運用における課題として「評価者の負担が重い」がトップであり、多くの企業が制度の形骸化や運用コストに苦慮している現状がある。

記事要約

  • 事業内容と主力サービス:人事評価・目標管理・処遇管理を支援するアプリケーションパッケージ「評価三味」と、関連サービス「三味クラウド」を展開。開発・販売・導入支援・運用保守を手がける。企業ごとの多様な評価制度を、スクラッチ開発なしのパラメーター構築で実現する汎用性の高さが強み。
  • 社名の由来と経営理念:世界第2位の高峰「K2」にちなみ、「1番であるお客様を引き立てる2番目の存在」として、最良のパートナーを目指す姿勢を象徴している。
  • 創業の経緯:1997年から続く事業が、前身企業の事業縮小により存続の危機に。2013年、当時の開発・運用メンバーと共に、既存顧客を支援し続けるために独立・創業した。
  • サービスの提供価値:特に中小企業でも導入を検討しやすい設計を志向。煩雑な進捗管理や集計作業を自動化し、人事担当者のリソース不足を解消することに注力している。
  • 今後の挑戦:システムの老朽化やAI活用といった課題に対し、既存顧客の安定稼働を維持しながら、最新技術を取り入れたリニューアルによる事業継続を目指す。

取材企業の概要

企業サイトをみる

企業名
株式会社K2インフィニティーズ
住所
〒140-0013
東京都品川区南大井4丁目12番9号

新着記事