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注目企業特集

「人」の可能性をAIとエンタメで最大化する——株式会社廣起が描く、働くことが「感動」に変わる未来

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株式会社廣起

代表取締役 廣木 雄一郎様

目次

経済の変革期において、企業の真価は「技術」以上に、その根底にある「想い」に現れる。今回、編集部が注目したのは、大阪を拠点に人財、IT、スポーツという一見異なる3つの領域で事業を展開する株式会社廣起(こおき)だ。

2019年の創業翌年からコロナ禍という未曾有の危機に直面しながらも、それを「分岐点」として成長へと変えてきた同社。代表取締役の廣木雄一郎氏が語る、自身のキャリアへの葛藤から始まった創業ストーリーと、AIがもたらす新たな労働観、そして「人との繋がり」を軸にした独自の経営哲学を深く掘り下げた。

自身の「迷い」が原点となった創業ストーリー

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株式会社廣起の代表、廣木雄一郎氏が歩んできた道のりは、決して最初から起業家を目指した華やかなものではなかった。小学校から大学まで15年間、サッカー一筋の生活を送り、大学時代は名門サッカー部でプレー。卒業後、新卒で入社したのは大手製薬メーカーのMR(医薬情報担当者)だ。

「大学まではサッカー一筋で、やりたい仕事が特になかったんです。父が同じ業界にいたこともあり、将来的な年収のイメージが持てたこと、そして文系卒なら営業だろうという消去法に近い動機で選んだ道でした」と、廣木氏は当時を振り返る。

しかし、明確なキャリアビジョンを持たずに踏み出した社会人生活は、ほどなくして「迷い」に直面する。2年目を迎える頃には「本当にこの会社でいいのか」「このキャリアでいいのか」という問いが頭を離れなくなった。この葛藤が、今の事業の原点となる。廣木氏は自らの現状を打破するため、社外の経営者や生き生きと働く会社員へのインタビューを開始した。

廣木氏:「100日間で100人に会うという挑戦の中で、逆に『君はどうなりたいの?』と問いかけられました。そこで自分と向き合った結果、部活のように努力が結果に直結し、お客様に喜ばれた分だけ選択肢が増えるような生き方をしたいと強く思うようになったんです」

この気付きが「独立」という選択肢を生んだ。その後、NTTコミュニケーションズグループへの転職を経て準備期間を設け、自身が主催していたスポーツイベントへの参加者からキャリア相談を受けるようになったことが、現在の中核事業である人材紹介業のスタートラインとなったのである。

コロナ禍を「攻め」の姿勢で乗り越えた分岐点

2019年5月に設立された同社にとって、最大の試練は創業2年目に訪れた。新型コロナウイルスの感染拡大である。

廣木氏:「当時は1人親方の延長線上で、スポーツイベントと転職支援が主軸でした。イベントは軒並みゼロになり、転職市場も動きが止まりました。売上が数十万円まで落ち込む月もあり、まさに正念場でした」

しかし、この危機において廣木氏が選んだのは「縮小」ではなく、リソースを最大限に活用する「挑戦」だった。近隣で閉鎖を検討していたコワーキングスペースを引き継ぎ、自社のオフィスとして構える決断を下したのだ。さらに、その縁から洋菓子店(スイーツ事業)の運営にも携わることになる。

廣木氏:「コロナ禍だからこそ、思い切ってオフィスを移転し、そこで何ができるかを考えました。飲食店が開いていない時期に、適切な距離を保ちながら交流できる場を提供したことで、結果的にそこが新たなコミュニティとなり、人材紹介の相談や新たな繋がりが生まれるシナリオが描けました。月間で延べ1000人近くが出入りする場所になったんです」

この経験は、同社の「どんな状況下でもリソースを最大化してチャレンジする」という姿勢を決定づける大きな分岐点となった。

「三方よし」を貫く人材・IT事業の強みとこだわり

現在、株式会社廣起の事業は多角的に展開されている。中でも売上の柱となっているのが人材(人財)事業だ。国家資格キャリアコンサルタントを擁し、20〜30代を対象とした人材紹介、業務委託案件への人員送出(アウトソーシング)、未経験からエンジニアを目指すプログラミングスクール「Rough Tech(ラフテック)」、そしてSES(エンジニア派遣)を展開している。

数多ある人材紹介会社の中で、同社が圧倒的な差別化を図っているのが「仕組み化されたリファラル」による集客だ。

廣木氏:「長らく集客の中心はリファラルで、ほぼ紹介のみで成長してきました。口コミが起きるためには、サービスを受けた方が心から良かったと思い、担当者の人間性に魅力を感じていただく必要があります。だからこそ、メンバーには常に『あなたにお願いしたい』と思われる人間であれと伝えています」

その徹底した姿勢は、スクール事業やIT受託開発にも共通している。同社のIT事業では、WordPressやShopifyを活用したホームページ制作、コーポレートサイト、採用サイトの制作から、業務効率化・DX支援までを幅広く手掛ける。

経営判断の軸には、ミッションである「すべての人財の無限大の可能性を最大限に」と、バリューとして掲げる「みんなの幸せのために(三方よし)」がある。自分たち、クライアント、そして社会のすべてがプラスになることを最優先する姿勢が、強固なリファラル体制を支えているのだ。

組織のあり方をアップデートする「グラデーション型組織」

同社の組織形態もまた、現代的な柔軟性を備えている。特筆すべきは、メンバーの多くが業務委託契約を含めた多様な形態で関わっている点だ。

廣木氏:「組織を3つの階層で捉えています。1つ目は、各事業の責任者として成果報酬型でコミットするコアメンバー。2つ目は、他社に勤めたり自分の会社を持ちながら成果報酬型でプロジェクトに参加するメンバー。そして3つ目が、イベントの参加者などの接点がある方々です」

この「組織のグラデーション」により、採用難と言われる時代においても、相性や親和性を確認しながら緩やかに中核メンバーへとステップアップしていく仕組みを構築している。現在、メンバーは40名(2024年2月時点、フリーランス含む)を超え、着実に規模を拡大させている。

単なる「労働力の確保」ではなく、その個人の人生設計やキャリアにおいて、廣起と組むことがプラスになるかどうかを真摯に語り合う。個人の幸せと組織の目的が重なり合う部分を最大化させることこそが、同社の組織づくりの真髄と言えるだろう。

AI革命とエンタメの融合——10年後の未来を見据えて

未来に目を向けると、株式会社廣起は大きな舵を切ろうとしている。それが「AI」への注力だ。2026年3月からは、Google WorkspaceとGeminiに特化したAIスクールの開講を予定している。

廣木氏:「IT革命を超える、歴史的なAI革命の変革期に私たちはいます。AIを活用する側とそうでない側で、個人のパフォーマンスや企業の価値に決定的な差がつくでしょう」

廣木氏は、将来的に多くの人が仕事をせずとも生きていける時代が来ることを予見している。その時、同社が提供する価値は2つの極に分かれるという。

廣木氏:「週休5日や6日が当たり前になる世界では、『仕事が趣味』として没頭する層と、余暇を『エンタメ』として楽しむ層に二極化します。だからこそ、キャリア形成を支援する人財事業と、人生を謳歌するためのスポーツ(エンタメ)事業の両方を持ち続けたいんです」

同社が提供するスポーツイベント「LA FESPO(ラフェスポ)」は、まさにそのエンタメ領域を担う。(公式サイトによると)全13回開催で、累計9,000名以上動員するこのイベントは、フットサルやeスポーツを軸に、飲食やパフォーマンスを融合させた「大人の運動会」だ。AIによって効率化され、人との繋がりが希薄になりやすい時代だからこそ、身体を動かし、対面で交流する価値が高まると考えている。

自分だけの「幸せの形」を問い続ける

インタビューの最後、起業や挑戦を志す若い世代へのアドバイスを求めると、廣木氏は静かにこう語った。

廣木氏:「かつてのロールモデルが通用しない、生き方がバラバラで多様な時代です。だからこそ、自分にとっての幸せとは何か、どんな人生を作りたいのかというアンテナを立て、自分自身に問いかけ続ける時間を大切にしてほしい。それがあるからこそ、今日一日のチャレンジや選択に意味が生まれます」

そして、どれだけ技術が進化しても変わらない「人との繋がり」の重要性を強調した。

廣木氏:「アクションを起こさなければ、一人になってしまいがちな時代です。家族、友人、パートナー、そして仕事仲間。こうした繋がりを大切にすることが、結果として人生の豊かさ、そしてビジネスの成功にも繋がっていくのだと信じています」

株式会社廣起は、ITやAIという最先端の武器を手にしながらも、その中心には常に「血の通った人間の可能性」を据えている。働くことが単なる義務ではなく、感動するストーリーを共創するプロセスへと変わる未来。同社は、2028年度の年商10億円突破を目標として掲げている。

記事要約

  • 創業の背景:代表・廣木雄一郎氏の製薬会社MR時代の葛藤が原点。「100人インタビュー」を経て、自らの意志で人生を創るために独立。
  • 事業構造:人材(紹介、派遣、スクール)、IT(HP制作、DX支援)、スポーツ(イベント「LA FESPO」)の3本柱。20代・30代のキャリア支援に強み。
  • 独自の優位性:集客は「リファラル」。顧客との深い対話を通じた信頼構築を最優先し、高い満足度を実現。
  • 逆境を糧に:コロナ禍を機に拠点を構え、コミュニティ機能を強化。多角化(スイーツ事業等)にも挑戦し、不測の事態でもリソースを最大化する経営を確立。
  • 組織戦略:業務委託ベースの「グラデーション型組織」。個人の幸せと組織の目的をリンクさせ、柔軟な拡大を続ける。
  • 未来の展望:2026年よりAIスクールを展開。AIによる効率化(キャリア支援)と、対面の繋がり(エンタメ・スポーツ)の両輪で、新時代の豊かな人生を支える。

取材企業の概要

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企業名
株式会社廣起
住所
〒550-0002
大阪府大阪市西区江戸堀1-19-23 長崎ビル206

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